島根大学 医学部救急医学講座 附属病院救命救急センター
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「ER」1st season 第10話 その1 「トリアージ」

Triage
トリアージとは患者さんの重症度に応じて治療の優先順位を決める考え方です。
限られた医療資源で最大の効果を発揮させることが目的です。
基本的には生命予後が最優先で、次に機能予後になります。
黒・赤・黄・緑の4段階にわけて分類し、赤、次いで黄の人の治療を優先します。
  赤:critical:一刻を争う病態。緊急の処置を要する。
  黄:urgent:入院が必要な程度の傷病。
  緑:walking wounded:入院を要さない程度の傷病
    START方式などでは歩行できることが目安となります。
  黒:心肺停止状態
ただ大規模災害の場合:地震などで病院自体も被災している場合と、多数傷病者発生:交通事故などで傷病者は多数発生しているが病院の機能は保たれている場合では少し対応が異なると思われます。
またこの triage の考え方は普段の診療にも役立てられています。
(重症な方は順番に関係なく先に診療するなど)

さてドラマではどうでしょうか。
TV news で多重衝突事故・傷病者多数の情報を得て準備を始めます。
13:36 triage tag が一瞬映ります。
stuff たちは手袋・黄色の予防衣や goggle をつけています。
(感染予防のためです。)
もっと良いのは帽子・マスクもつけることです。
そのような態勢を standard precaution (標準的予防策)と呼びます。

■14:54–22:30
多くの傷病者がどんどん搬送されてきます。
搬送が始まってから tag の色の解説をしていては遅いです。
  (もちろんこれは視聴者向けの解説でしょう)
DOA:dead on arrival 病院到着時に心肺停止状態の意味で当時は使われていた言葉です。
現在ではCPAOA:cardiopulmonary arrest on arrival と言います。
(現在はDOAが薬のドパミン、DOBがドブタミンの意味で使われることが多いです。)
・車椅子に座っている頭部外傷の人に green tag を指示しています。
  本来は歩ける人が green です。きっと歩けるのでしょう。
・second and third degree burn.で twenty-five percent of body surface
  熱傷の重症度は深さ・広さ・部位などで判断します。深さはⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度と表します。
Ⅲ度は最も深く真皮に達しています。Ⅱ度は水疱などができます。
体表面積の25%に達しているので重症です。red tag
  さらに気道熱傷 inhalation を合併しているかどうか、も重要です。
  後に煙を吸い込んだ、という患者が出てきますが、気道熱傷を疑わせる重要な所見です。
・deformity at T4 vertebra:第4胸椎の変形がある。
  Legs are flaccid:両下肢が弛緩している。
胸椎の変形があり下肢の麻痺があるので、spinal cord injury と判断しています。
脊髄損傷では血圧低下と徐脈がおこります。spinal shock 脊髄ショック
脈拍60 なので spinal shock というほどではないようですが。
・親指 thumb の切断cut 19:20
  再接着の手術は一刻を争うので red tag です。
  生命予後ではなく機能予後ですが、多数傷病者で病院機能は保たれているので対応しています。


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